RIGHTS · 2026-10-12
ポートフォリオと著作権|会社の制作物・他社IP・AI生成画像
ポートフォリオには「自分が作ったもの」を載せますが、作った人と権利を持つ人は一致しないことがあります。特に、在籍会社で制作したアセットや、既存のゲーム・アニメのキャラクターを使ったファンアートは、載せる前に確認が必要です。
会社で作ったものは「職務著作」になりやすい
著作権法第15条第1項は、法人等の発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成し、法人等の名義で公表する著作物について、作成時の契約や勤務規則に別段の定めがない限り、法人等を著作者とすると定めています。プログラムの著作物は第2項で扱われ、公表名義の要件がありません。
ゲーム会社で作った3Dモデル、UI素材、ソースコード、企画書は、この規定や雇用契約・就業規則により会社の権利になっている可能性が高いと考えられます。ポートフォリオに載せる場合は、元の会社の規程や許可の有無を確認し、公開済みタイトルであっても素材そのもの(データ・未使用案)を出すかどうかは慎重に判断します。
他社IPのファンアート・二次創作
著作権法第27条は、翻訳・編曲・変形・脚色・映画化など、著作物を元に新たな作品を作る権利(翻案権等)を著作者が専有すると定めています。既存キャラクターを使った作品は、この権利との関係が生じます。権利者がファンアートや二次創作のガイドラインを公開している場合は、その範囲(営利・非営利、公開方法など)に応募書類として使うことが含まれるかを読みます。判断がつかない場合は、オリジナルのデザインで同じ技術を示す作品に置き換えるのが確実です。
「引用」で済むのは限られた場面
第32条第1項の引用は、公表された著作物を、公正な慣行に合致し、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行う場合に認められます。作品を見せることが目的のポートフォリオで、他人の作品を大きく載せることは、この要件に当てはまりにくいと考えられます。参考にした資料は、出典を示したうえで自分の制作物との違いが分かる程度にとどめます。
AI生成画像は応募先のルールに従う
プラチナゲームズの新卒アーティスト募集では、生成画像を自分の作品として入れない、生成画像をトレース等で間接利用した作品も入れない、部分的に使った場合はどの部分かを必ず記載する、という3条件が示されています。こうしたルールは応募先ごとに異なるため、募集要項を確認し、使った場合は使用範囲を自分から明記します。
掲載前の確認表
| 作品の種類 | 確認すること |
|---|---|
| 在籍・前職の会社で作ったもの | 就業規則・契約・会社の許可。未公開情報や社内資料が含まれていないか |
| 共同制作の個人作品 | 共同制作者の了承と、自分の担当箇所の明記 |
| 他社IPのファンアート | 権利者のガイドラインの範囲。置き換え可能ならオリジナル作品に |
| AI生成画像を含むもの | 応募先のルール。使用部分の明記 |
| 使用した素材・フォント・音源 | 利用規約上、ポートフォリオでの公開が認められているか |
相談先・申込先の選び方
権利関係で判断がつかない場合は、元の会社の法務・知財担当、権利者の問い合わせ窓口、または著作権に詳しい弁護士に確認してください。文化庁も著作権に関する相談窓口の情報を公開しています。このページは一般的な条文の紹介で、個別の作品の可否を判断するものではありません。
一次情報と確認日
確認日:2026-10-12。条文は要旨で紹介しています。個別のケースの判断は専門家に確認してください。